台湾に住んでいる人、旅行に来た人問わず個人情報を何らかの書類に記入する機会があると思います。相手が大きな会社だから、有名なお店だからとその個人情報の取り扱いに安心していませんか?もしかするといつの間にか自分の情報が意図しない利用をされているかもしれません。
まず個人情報とは?
生きている個人を特定する情報、もしくは照合することで個人を特定できる情報というのが定義なのですが、少し分かりにくいかもしれませんので、例を出します。
- 個人名と誕生日
- 職業と携帯番号
- 保険証番号とパスポート番号
実は個人名だけでは同姓同名も考えられるため、完全に個人を特定できるものかどうかという判断が難しいところですが、誕生日や携帯番号と組み合わせるとほぼ確実に個人情報と認識されます。例えばとあるショッピングサイトで購入者の名前と住所が漏洩されたとします。これは完全に個人情報漏洩になり、日本では個人情報保護法違反で刑事罰が科せられます。
台湾の個人情報保護法は?
台湾では「個人資料保護法」という法律があります。姓名、生年月日、国民統一番号(日本でいうマイナンバーのような番号)など直接間接に関わらず個人を特定しうる情報と明記されていますので、厳格に決められていることは確かです。
台湾での罰則は「5年以下の懲役または100万元(約350万円)以下の罰金」となっていて、日本での「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」と比べて非常に厳しいものとなっています。
しかし実際は個人情報を漏洩された被害者側の民事訴訟による賠償額が多く、さらに控訴する場合は時間的金銭的負担が大きくなります。
気軽に扱われる携帯番号
日本でも同じくかもしれませんが、台湾では必ずと言っていいほど手続きの際には携帯番号が必要になります。たとえばショッピングの際に会員証を忘れると、携帯番号を尋ねられます。こちらが応えると「〇〇さんですね」と名前を言われます。これで個人情報が周囲の人に漏れたということになります。
そんな細かい事!?とお思いかもしれませんが、同じ列に並んでいる人が全て善人とは限りません。あなたが比較的高級なものを買っていたとすると、おおよその年収を推定されてターゲットにされることもあります。
色んな場面で携帯番号を記入・入力すればするほど、色んな情報と結びつくことになり、病歴や買い物履歴、住所なども特定されるかもしれません。もし会員登録したお店で入力した紙を、店員なら誰もが見れる状態になっていたとしたらどうでしょうか?
台湾観光ではこんな場面で個人情報を記入している
台湾に来たら占いをしてみたいと思った方は多いのではないでしょうか。そのお店の方が善い人か悪い人かは別として、姓名判断や生年月日による四柱推命などで記入した情報は個人情報です。他にもレストランに行ったときに、アンケートを求められたとします。名前、メールアドレス、年齢などを記入すると、これも個人情報を残したことになります。もっとわかりやすい場面で言うと、ホテルや民宿などで記入する宿泊者名簿も同じくです。意外と旅行者でも個人情報を記入する機会はあります。
他にもこんな場面で個人情報を記入していませんか?
- 署名や募金活動
- 荷物を日本へ発送する
- インターネット上での会員登録
- 宿の交流ノート
どうやって自己防衛するのか?
個人情報は大切にするべき情報と認識したうえで、できるだけ記入しない事が一番です。相手の勢いに負けてついつい記入してしまうこともあると思いますが、よほど必要な場面でない限り「記入しない」のが一番の防衛策です。と言っても、ツアーなどでどうしても書かないといけない状況になったら、必須項目以外は記入しないでください。例えば誕生日が絶対必要になる場面というのは、公的機関以外ではまずありません。カード情報を盗まれ、誕生日が分かるとパスワードを推測できてしまうこともあります。