アメリカで成立した台湾旅行法について振り返る

40年近く政府高官による国交を控えてきた米台。トランプ政権下、2018年の3月にアメリカで成立した「台湾旅行法」をざっくりと説明します。

台湾とアメリカの間に何があった?

1979年アメリカのレーガン大統領の時代に「台湾関係法」が可決され、それ以降台湾の政府高官がアメリカに訪問したり、アメリカが台湾に訪問することを自主的に制限していました。ただその後アメリカが中国・台湾との間で「6つの保証」を約束し、2016年に明文化しています。その保証の内容とは、中国と台湾の関係性について口出ししないとしながら、中国との協議なしに台湾に対して武器を売り続ける、という何とも主張したいところは主張するアメリカらしい考えが含まれています。その中に台湾関係法の改正に同意しないというのがあります。

台湾旅行法とはどういう内容なのか

いくつかある項目のうち2つだけ取り上げます

高官同士の交流が可能になる

日本人にとっては、今までそういう交流がなかったのかと驚くかもしれないが、40年近くなかったのだそうです。これからは台湾の総統とアメリカの大統領がお互いの国に訪問するということも実現するかもしれません。

アメリカでの経済活動を全て正式に許可する

駐米台北経済文化代表処とよばれる、アメリカでの台湾大使館に相当する施設ですが、そちらや台湾が設置した全ての機関での経済活動を応援するということです。これも、え?今まで「正式」じゃなかったのという印象です。

なぜ中国が反発するのか

中国側の意図

中国は「1つの中国」を推し進めています。台湾は中国の一部であり、勝手に対アメリカに対する関係を深められては困ります。台湾に対して武力行使することもいとわないと、脅しています。

アメリカ側の意図

北朝鮮に対して経済的な援助を行っている疑惑がある中国に、けん制しているようです。

台湾側の意図

中国は台湾に対して経済的援助を行っており、台湾はどうしても中国に頼らざるを得ない状況です。しかし、アメリカでも自由に政治的・経済的な活動ができるようになれば、活路が広がるはずです。


ただ、台湾旅行法制定後に、台湾の選挙で国民党優勢になったため、アメリカに対しての風向きが、また変わるかもしれません