美味しいものを求めて旅行に来る方が多い台湾。安くてうまい食べ物のすべてが安全と言えるのか、調べてみました。
日本人から見て、台湾人は食に対して敏感で健康的というイメージがあります。小籠包や牛肉麺、色んな美食が有りますが、すべて安全といえるでしょうか。もちろん、食品添加物や農薬など細かく気にしていては何も食べられないという意見もあることでしょう。台湾での農薬の実態についてお話しします。
農薬に関するデータ
まずは以下の記事を紹介します。
中国語の記事なので、内容が分かりにくいかもしれませんが、グラフを見ると、農薬の使用量やその内訳が分かります。民国106年(2017年)で農薬総使用量が10,549トンになっています。正直他の国と比べてどれくらい多いのか少ないのか、この数字だけでは分かりません。というのも、日本での農薬のデータを見ると、1ヘクタール当たりでの使用量なので、比較ができません。ですが、別の記事で台湾での1ヘクタール当たりでの農薬使用量のデータを見つけました。約17キロだそうです。日本はというと、実はまともなデータがほとんどありません…。情報元によって数字がバラバラなのです。18キロだったり、12キロだったり。日本の農家の立場からは、「農薬を多く使う必要がある品目を集中的にデータを取っている」ということで、日本では「日本は農薬使用量世界一」ということになっていて、台湾では「台湾は農薬使用量世界一」となっています。
農薬の種類について
では、農薬の種類について注目してみましょう。先ほどの記事では、殺虫、殺菌、除草の3種類が比較されています。飛びぬけて多いのが除草剤です。使用量は2017年で4,392トンになっています。日本の10年以上前のデータでは12,000トンなので国土面積が1/10の台湾と単純なデータ比較をすると、台湾:日本=4392:1200になります。これは全くと言っていいほど比較できるほどの正確なデータではありませんが、台湾では除草剤が最も使われる農薬であるという事が分かります。
減農薬対策
全く対策がなされず、使用量は増えていく一方なのかというとそうでもないようです。
こちらの記事では、2027年までに農薬使用量を今の半分に減らそうという政策が紹介されています。かなり長期的な計画なので、どれだけ進むのか分かりませんが、ぜひとも積極的に進めていただきたいと思います。
統計のマジック
ここで一つ言っておかないといけない事があります。統計は数字として顕著に書かれているので、説得力があります。しかし、データのとり方によって、印象が善にも悪にもなります。都合の悪いデータが除外されている可能性もあるため、単純に数字を見ただけで決めつけることはできません。
私たち消費者は冷静に安全な農作物を見極められる感覚を身に付けなければ、本当の安心な食生活を手に入れることはできないのかもしれません。