台湾の街を歩いていて、日本と明らかに違う建物の構造に気付いた事がありますか?最も分かりやすい違いが、2階より上が道路側にせり出し、1階がアーケードのようになっている構造です。これは中国語で「騎樓」と呼ばれます。
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何のための騎樓なのか
そもそもこの騎樓は何のために必要なのか。
「騎」とは乗り物に乗るという意味で、「樓」は日本語でいう階の意味なので、乗り物に乗るための階ということになります。そして歩道の役割も兼ねています。
騎樓の現状とは
乗り物に乗るための階と言いながら、実際はどうでしょう。バイクが停まっていたり、植木が置かれていたり、お店の場合はテーブルや椅子が置いてあることもあります。これでは本来の騎樓としての役割を果たす事ができません。
騎樓とは誰の所有なのか
調べてみたところ、所有権は建物の持ち主になるが、使用権は公共ということです。つまり騎樓部分の床や壁、柱部分を勝手に改修することは可能だが、誰もが使える(通ることができる)状態にすることが必要です。例えばすぐに移動させることができる植木鉢ならOKだけれど、すぐに移動できない屋台は会うとということです。
所有権を持っていてもできないこと
建物の持ち主は所有権を持っているので、騎樓に停められたバイクを移動して良いかというと、これは違反行為になる。詳しい法律の名前は分からないが、一般道路に停められたバイクを勝手に移動することと同じになり、見つかると罰金になる。騎樓にバイクを長時間停めるのは違法駐車にあたるため、警察に通報するしか手段がないのである。
もはやメリットはない?!
結局、騎樓を作ったことにより、車道が狭くなり、歩道が無くなり、違法駐車の場所を増やす原因になりました。そもそも騎樓がないとバイクや車を停める場所がありません。歩行者は車道を歩くことを強いられ、危ない思いをすることになります。
雨が多い台湾では、騎樓の存在は非常にありがたいのですが、もはやその役割を果たしていないため、これ以上増やす必要があるのか疑問です。